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清水永之:ボーカル・レコーディングを極める

第2回:ボーカル・レコーディングの準備

(2008 年 10 月 7 日)


前回は、マイクを中心に、ボーカル・レコーディングで必要となる機材を紹介したが、今回はそれらをセッティングする手順について説明していくことにしよう

■ヘッド・アンプについて

セッティングの話を始める前に、もう1つ重要な必要機材を紹介しておこう。

マイクの次に重要なのがプリアンプだ。これは音量を増幅させるために必要な機材で、ヘッド・アンプ(HA)とも呼ばれている。マイクを直接ミキサーに接続する場合、TRIMといううツマミで音量を上げるのだが、これもミキサーに内蔵されているヘッド・アンプを通っているということなので、基本的な仕組みは同じだ。

ヘッド・アンプ(以下HA)には真空管のもの、コンプレッサーを内蔵しているものなど、いろいろ種類がある。最近では真空管でコンプレッサー内蔵のものでも比較的リーズナブルな価格で入手できるが、当然高価なものもある。また、デジタル・アウトを装備している機種もあり、直接オーディオ・インターフェイスに接続できるため、音の劣化のないクリアな録音をすることができる。このヘッド・アンプの性能は、録音のクオリティを直接的に左右してしまうので、機能的な部分も踏まえて、その選択には慎重を期したい。

■機材のセッティング

必要機材の説明が終わったところで、次に録音のプロセスについて触れてみよう。

まず、パソコンとオーディオ・インターフェースをUSBFIREWIREで接続しておいて、パソコンを立ち上げる。そしてDAWソフトを起動し、インターフェイスをちゃんと認識したのを確認してからマイクのセッティングをしていく。マイク・スタンドにマイクをセット、そしてマイクとHAもしくはオーディオ・インターフェースのインプット端子を接続する

コンデンサー・マイクの場合はできれば吹きに弱いということを考えて、ポップ・ガード写真①)も装着した方が良い。

写真①

マイクをインターフェースに直接つなぐ場合は、それで接続完了だが(図①)、HAを使う場合は、さらにHAのアウトプットとオーディオ・インターフェースのインプットを接続する。録音の段階でピークを押さえたり、音量を揃えるためにコンプレッサーを使う場合は、マイク→HA→コンプ→インターフェイスという接続になる図②)。

図①

図②

前回にも触れたが、コンデンサー・マイクの場合は電源を供給しなければ使えないので、接続が完了したら、HAもしくはインターフェースの48Vをオンにする。その際、ミキサーやパワー・アンプの音量を下げておいた方が良い。

これで機器の接続は完了である。

■DAWソフトの設定

次にDAWソフトのトラックを設定する。最初にレコーディングに必要な素材(カラオケやクリック、ガイド・メロディ)などを取り込む必要がある場合は先に読み込んでおく。ソフトによって取り込み方は異なる(“オーディオの読み込み”、“オーディオのインポート”という機能を選択するか、もしくは直接書類をドラッグする)ので、詳細は各ソフトのマニュアルを参照してほしい。画面①はアップルLogicの例だ。生演奏したデータにボーカルを追加する場合はこの作業は必要ない。

そしてボーカル録音用トラックを追加する。後から追加することもできるが、ボーカル用に大体何トラック必要なのか、あらかじめ分かっていると設定しやすい(メイン・ボーカルのほかに、ダブル、ハモ、コーラスなどが必要なのか……)。蛇足だが、基本的にボーカル・トラックはモノラルだ。録音する際には、少しリバーブなどかけるとカラオケと混じりやすいので、バスやAUXを使ってリバーブやディレイなどをかけると良い。そして、いよいよ実際に声を出してみてHAの音量、コンプのかかり具合、エフェクトのかかり具合など調節していくわけだ。

このへんの詳細については、次回に説明していくことにしよう。

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